無料で使う!定番名刺管理アプリ・ソフト4選

無料で始める名刺管理アプリ・ソフト4選

無料で「使い続けられる」名刺管理サービス知ってます?

名刺管理サービスには無料で使い続けられる定番のラインアップがあります。代表例としては、企業向けサービス「Sansan」を手がけるSansan株式会社の「Eight」や、ビジネスSNS「Wantedly」を運営するウォンテッドリー株式会社の「Wantedly People」などが挙げられます。

さらに最近は、LINE株式会社が2018年5月に満を持してリリースした「myBridge」が有力候補として外せません。ほかにも、エバーノート株式会社が「Evernote」の機能として提供している名刺管理サービスもあり、選択肢は着実に広がっています。

他の事業を含めて長く実績を積んできた運営元のサービスなら、セキュリティ面での信頼感が高いうえ、十分なノウハウの蓄積があり、無料であっても機能面で有料サービスと見劣りしないことも珍しくありません。セキュリティ面においても一定の信頼性も担保できるでしょう。

とはいえ、組織で導入して社員同士のつながりをビッグデータ化するような機能の充実度は、やはり有料の企業向けサービスに譲ります。無料サービスの全般的な傾向として、自身の人間関係を管理したり名刺をサッとデジタル化したりといった個人用途の使い勝手が良いということがいえます。実際、組織連携機能が使える有料版へのアップグレードという選択肢を用意している無料サービスも少なからずあります。そこを踏まえたうえで、上記4サービスの特徴をみていきましょう。

【定番】無料で使い続けられる名刺管理アプリ&ソフト4選

将来的な組織での活用も見据えて使える「Eight」

「Eight」は、企業向け名刺サービス「Sansan」から生まれた個人向けサービスです。スマホアプリやスキャナによる名刺取り込みとその後の管理の仕組みはSansanを踏襲しており、操作系は洗練されています。基本的にはスマホアプリで取り込みや管理を行いますが、PC版も利用できます。

すべての機能が追加料金なしで使えますが、より高度な機能が使える有料の「Eightプレミアム」や、小規模オフィスなどでの活用を想定した「Eight企業プレミアム」などへのアップグレードを検討することも可能です。

Eightのメリットとデメリット

名刺スキャンで重要になるのは正確性ですが、EightはOCRによるテキスト化のほかに、クラウド経由の人力入力サービスも枚数無制限で利用できるのが強みといえます。基本的に、会社名と氏名、電話番号、メールアドレスの4項目を入力してくれます。肩書きや住所はベストエフォート扱いで、データ入力が混雑している時はスルーされます。その場合は、自分で入力しましょう。

スマホアプリのカメラやドキュメントスキャナを使って取り込みます。
スマホアプリのカメラやドキュメントスキャナを使って取り込みます。
スキャン直後はOCRによるテキスト情報ですが、追って人力で入力されるので正確性が高まります。
スキャン直後はOCRによるテキスト情報ですが、追って人力で入力されるので正確性が高まります。

一方で、名寄せ機能はないので、先方の転職や異動があった際はラベル機能やメモ機能を使って自力で修正することになります。ただし、相手がEightユーザーなら自動で最新のプロフィールがひも付けされるので、Eight利用者が多い業界では気にならないかもしれません。そのほか、名刺データのダウンロードやエクスポートに対応していないことも念頭に置いて導入を検討するのがよいでしょう。

なお、Eightプレミアムにアップグレードすれば、名刺両面の情報が人力入力対象となるうえ、処理時間も3分の1にスピードアップされます。名刺データのエクスポートも可能になります。

プレミアムへのアップグレードはいつでも可能です。月額480円と年額4,800円が選べます。
プレミアムへのアップグレードはいつでも可能です。月額480円と年額4,800円が選べます。

Eightはこんな方におすすめ

提供されるサービス内で自身の名刺データを管理したい人や、人力による正確なデータベースを無料で利用し続けたい人には魅力的なサービスといえるでしょう。個人と企業向けの有料版に切り替える道筋もあるので、その後の活用法をイメージしながら使うこともできます。

組織ではなく個人で使う「Wantedly People」

「Wantedly People」は人のつながりを組織ではなく各人の資産と捉え、自分や相手が転職したり新組織に所属しても関係性を強化できるツールとしてデザインされています。有料版へのアップグレードや有料サービスなどはなく、どれだけ使いこんでも追加費用はかかりません。スマホアプリとしての活用が中心ですが、PC版も提供しています。

Wantedly Peopleのメリットとデメリット

Wantedly Peopleは使うほどに精度が上がるOCRエンジンを採用しているのが特徴です。独自開発の人工知能を組み込んでおり、アプリのカメラで最大10枚の名刺を瞬時に認識してデジタル化できます。また、ドキュメントスキャナ「ScanSnap iX100/iX500」があれば、大量の名刺を一気に取り込むことも可能です。

雑に並べた名刺も、長方形を検出して最大10枚まで同時に取り込めます。
雑に並べた名刺も、長方形を検出して最大10枚まで同時に取り込めます。

読み込んだ名刺データは同社のビジネスSNS「Wantedly」やFacebookのアカウントとひも付けられるほか、アプリ内の機能で先方の社名や業界、住所などに沿ったニュース情報を提供するといった付加機能も実装しています。

アプリトップの「話題」タグをタップすると、人工知能により各人に沿ったニュースが表示されます。
アプリトップの「話題」タグをタップすると、人工知能により各人に沿ったニュースが表示されます。

他のアカウントと名刺データを共有する際は、一時的に情報を貸し出しというスタイルをとります。このため、常時チームで活用するといった使い方には向きません。そうした用途が必要になったら、PC版を通して名刺データをエクスポートし、他のサービスに移行するのも手でしょう。

そのほか、名寄せ機能はありませんが、1人のページに複数の名刺データを収録することはできるので、手動でセカンドやサードの名刺を関連付ける応用は可能です。

PC版では名刺は取り込めませんが、名刺データの閲覧やインポートとエクスポートができます。
PC版では名刺は取り込めませんが、名刺データの閲覧やインポートとエクスポートができます。

Wantedly Peopleはこんな方におすすめ

Wantedly Peopleは名刺データを一人で活用することを求める方に使いやすいサービスだといえます。大量に名刺を受け取っても素早くデータ化できるので、イベントや交流会などで一度に大量の名刺交換をする方にも便利でしょう。

LINEアカウントですぐに使える「myBridge」

「myBridge」のコンセプトはWantedly Peopleに近く、名刺という資産を所属組織ではなくビジネスパーソンのものとしてとらえる思想で開発されました。すべての機能を無料で提供している(2018年12月時点)のも同様で、PC版による名刺データのエクスポートも含めて使い方を検討できます。

myBridgeのメリットとデメリット

myBridgeの特長として、LINEとの連携性は外せません。LINEアカウントで登録すればLINEトーク中に名刺データを共有するなど、同社の他のツールでの活用もスムーズにできます。その一方でLINEの「友だち」情報とは同期しない仕様になっているので、プライベートと仕事を分けたいという場合も安心です。

会員登録画面で、「LINEの友だちとは連携されません」と表示されています。
会員登録画面で、「LINEの友だちとは連携されません」と表示されています。

名刺の取り込みには基本的にスマホのカメラを使います。OCRによる文字認識とユーザーによる手動修正というスタイルのほか、実物の名刺を郵送や宅配で送って人力入力を頼むといった手段も選べます。枚数制限はないので、大量の名刺をストックしている人には魅力的でしょう。2018年内は無料でしたが、2019年以降の料金設定は未定です。

名刺のスキャン代行サービス「おかませスキャン」。スキャンし終わった名刺はすべて返却されます。
名刺のスキャン代行サービス「おかませスキャン」。スキャンし終わった名刺はすべて返却されます。

そのほか、無料名刺管理サービスとしては珍しく、名寄せ機能を備えているのも見逃せません。同じ氏名の名刺データは更新日付の新しいものを優先し、古いものを「名刺詳細」項目にストックしてくれます。もちろん手動での調整も可能なので、古い名刺を後から取り込んでしまった場合も柔軟に修正できます。

同一人物の名刺は、名寄せ機能により取り込んだ日で時系列に閲覧できます。
同一人物の名刺は、名寄せ機能により取り込んだ日で時系列に閲覧できます。

一方で、組織で名刺データを共有するための機能はとくにないので、チームで連絡先を活用するときに相乗効果を期待するのは難しいかもしれません。

myBridgeはこんな方におすすめ

組織で使う方向ではなく、自分自身のつながりを管理・活用できるツールを探している人にうってつけのサービスといえます。まだリリースから1年に満たない新興のサービスであることと、LINE本体の新たなサービス展開が活発であることから、今後の動静にも注視しながら利用するのがよいでしょう。

クラウドノートで名刺も管理できる「Evernote」

エバーノート株式会社は名刺管理ツールとして無料アプリ「Evernote Scannable」を2015年にリリースしましたが、現在はそのノウハウを本体の「Evernote」に組み込んでいます。

Evernoteのスマホアプリでカメラを起動して、人工知能が名刺だと判断するとOCR機能が働く仕組みです。

スマホアプリの「+」を押して表示される「カメラ」を選べば、あとは自動で名刺を認識してOCRが稼働します。
スマホアプリの「+」を押して表示される「カメラ」を選べば、あとは自動で名刺を認識してOCRが稼働します。
他のメモやクリップと一緒に名刺データが保存されます。
他のメモやクリップと一緒に名刺データが保存されます。

Evernoteで名刺管理するメリットとデメリット

名刺データを他のメモやクリップと横断的に扱えるうえ、組織名や連絡先などで名刺としての検索性も確保しています。Evernote本体の機能としてグループでの活用もできるので、利用形態の自由度は高いといえます。

ただし、無料の「Evernoteベーシック」では、利用できる名刺機能の範囲が限られます。カメラをかざしたときに名刺と判断する自動撮影機能は利用できますが、OCR機能を生かした「名刺として保存」メニューは5枚までしか使えません。

有料の「Evernoteプレミアム」(月額600円)や「Evernote Business」(月額1100円)なら、無制限でOCR機能が使えますし、社内での共有やチームでの横断検索機能も使えます。無料サービスとして考えると、試用版の側面が強い点は否めません。

Evernoteの料金プラン。無料版のベーシックでは使える機能が限られます。
Evernoteの料金プラン。無料版のベーシックでは使える機能が限られます。

Evernoteで名刺管理するのはこんな方におすすめ

他の書類のペーパーレス化や、WEBページや動画、音声を含めたあらゆるメモをクラウドで管理したいという人にEvernoteは向いています。単純なクリップだけなら無料のベーシッププランで扱えますが、本格的に名刺管理をするとなると、やはり有料プランを使うほうがよいと思われます。

有料版名刺管理アプリ&ソフトを無料で試す!

企業での本格的な導入を念頭に、とりあえず無料でいろいろ試したいという場合は、有料サービスの試用版を試してみるのがお勧めです。

社内で複数アカウントでの使用を前提にしている「CAMCARD BUSINESS」(ワウテック株式会社)は10日間の無料トライアルを、初期費用0円で柔軟な料金体系を用意する「アルテマブルー」(キヤノンエスキースシステム株式会社)や、スマホ中心の法人向けサービス「名刺バンク」(株式会社アイネット)は2週間のトライアルを用意しています。Salesforce一体型の名刺管理サービス「SmartVisca」もトライアルが可能です。

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